はじめに フォルボ・ジークリングが提供するコンベアベルトは、軽量から重量級、柔軟から高剛性、導電性から非導電性まで多様な特性を備えています。これらの特性は、コーティング技術だけでなく、ベルト内部に用いられる帆布(ファブリック)によって決定されます。帆布は張力部材として機能するだけでなく、剛性、耐久性、騒音特性にも大きく影響を与えます。ベルトを正しく選定するためには、糸の種類、織り方、材料の特性を理解することが重要です。糸の種類と特徴ベルトに使用される主な糸は マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸、短繊維糸(ステープル糸) の3種類です。● マルチフィラメント糸多数の細いフィラメントを束ねてつくられる糸で、滑らかな表面と高い引裂き強度が特長です。・ベルト表面をより滑らかにしたい用途・高強度が要求される用途に適しています。● モノフィラメント糸単一で太いフィラメントからなる糸で、強い剛性が最大の特徴です。・主に横糸として使用し、ベルトの横剛性向上に寄与します。● 短繊維糸(ステープル糸)短い繊維を撚り合わせた糸で、毛羽立ちを持つため柔らかく、静音性に優れます。・静音性を重視する搬送・綿やポリエステルなど多様な素材に対応します。導電性の付与帯電防止が必要な用途では、帆布に導電性フィラメントを組み込むことで導電性を持たせます。導電糸は非常に細いため、通常の経糸や緯糸に撚り合わせて使用します。導電性は・ベルト表面のコーティング・内部ファブリックへの導電糸の組込みの双方で付与できます。織り構造とベルト特性帆布は、糸の組み合わせ方によって性能が大きく変化します。● 平織り経糸と緯糸を交互に組み合わせた最も基本的な織り方です。・柔軟性が高い・薄く均一で扱いやすい・ナイフエッジ用途などに適している● 綾織り(ツイル)糸の浮きが階段状の模様をつくる織り方で、しなやかさと耐久性に優れます。とくに ブロークンツイル(破れ綾織り) は左右の綾を組み合わせており、以下の特長があります。・表面は滑らか、裏面は粗めの質感・裏面を下向きに使用すると騒音を低減・耐久性と柔軟性のバランスが良い● 多層帆布(ソリッドウーブン/インターウーブン)2層以上の経糸・緯糸を組む厚手の帆布で、高強度が求められる用途に使用します。トランステックス PVC/PVK シリーズに多く採用されており、以下の特徴があります。・高い耐荷重・厚みと剛性が大きい● Hファブリック(ハイテクファブリック)張力部材となる経糸を内側に配置し、高い強度と耐久性を確保した特殊構造です。トランステックス Hタイプや一部のエクストレマルタスに採用され、以下をを実現します。・高強度・優れた耐疲労性主な材料とその特徴● PET(ポリエステル)最も一般的な材料で、次の特性があります。多くのトランジロンで使用されます。・高強度・低吸湿・耐熱性● ポリアミド(ナイロン)主にエクストレマルタスに使用されます。・極めて高い強度・優れた耐摩耗性● アラミド耐熱性・耐炎性に優れ、消防服にも使われる高機能繊維です。・パラアラミドはPETの約3倍の引張強度・非常に高価で、高負荷用途で使用アプリケーション例● ナイフエッジ搬送平織り + マルチフィラメントで高い柔軟性を確保● 静音性が求められる搬送短繊維糸を使用した裏布で騒音を低減● 高荷重搬送ライン多層帆布(ソリッドウーブン)で高い耐久性を提供● 静電気対策が必要な装置導電糸を組み込んだ導電性ファブリックを採用● 耐熱環境下の搬送まとめコンベアベルトの性能はコーティング材だけでなく、内部に組み込まれた糸・帆布の種類と構造に大きく依存します。糸の特性、織り方、材料特性を理解することで、用途に最適なベルトを選定でき、耐久性・静音性・安全性・搬送効率を大幅に向上させることが可能です。フォルボ・ジークリングの豊富なファブリック技術は、さまざまな産業のニーズに対応し、最適なベルトソリューションを提供します。